YUMI
Mar 24, 2024
今回ゆみは、友人ダイバーと一緒に「トラウムスクーバ」さんのところで、「ハンディキャップダイビング」の講習を受けてきました。
ハンディキャップダイビングとは、ハンデ(障がい)を持っている方のダイビングをお手伝いをすることができる!って夢と希望と愛しかないやないの~ってライセンス。バリアフリーは全員に優しいってことだから、学ぶことにしました。
認証団体はHSAと言うところで、世界30カ国のネットワークがあるハンディキャップダイビングインストラクター&水中サポートの養成機関です。
ライセンスの種類は主に
レベル1:ダイブバディ(OW以上)
レベル2:バディリーダー(DM以上)
レベル3:インストラクター(DM以上)
今回私たちが受けたのは、レベル1のダイブバディ。これを持っていると、インストラクター等のアシスタントとして、ハンデを持った方々と一緒に海へ入ることができるのです。
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講習の内容は簡単に言うと次の三種類のハンデについて、実際に体験すること&介助する練習をすることです。頭で理解していることの何倍も難しく、何倍も気をつけなければいけないことがあるのです。自分が体験することで、少しでも相手の気持ちに寄り添うのです。
首から下が動かない
腰から下が動かない
視力が弱い/全盲
それぞれに、できることとできないことがあるのでそれを知り、そのサポートの仕方を学ぶ。注意点を把握して「楽しませる」ことが重要なのです。
また、何でもかんでもやってあげるのではなく、「物理的にできないことを助ける」だけ。できることまでやってしまうのは、その方の成長のチャンスを奪うことになるからだそうです。目が見えない方なら、目になるだけ。足が動かないなら足になるだけ。できることは自分でやってもらう・・・。
それは、誰に対しても同じだなと思いました。子育てでも新人教育でも同じですね。何でもかんでも、失敗しないように先に先に小石を避けてしまっては、失敗するチャンスや痛みを知るチャンスを奪ってしまうからね。それは、決して優しさではないのかもしれないですね。
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まずは
首から下が動かない「四肢麻痺(ししまひ)」の方のサポートのポイントは
・ハンドサインができないので、首の上下左右で答えてもらう
・耳抜きのために鼻を押さえられないので、押さえてあげる必要がある
・痛みも寒さもわからないので怪我や低体温症に注意
・BCDとドライスーツの操作ができないのでやる必要あり
・腹筋は使えない
次に
腰から下が動かない「対麻痺(ついまひ)」の方のサポートのポイントは
・手や腕は動くので、自分で耳抜きやBCD等の操作が可能
・下半身が動かないので四肢麻痺と同じく怪我に注意
・足が上がってしまった場合に手だけではリカバリが難しい
・腹筋は使えない可能性が高い
最後に
視力が弱い/全盲の方のサポートのポイントは
・視力以外は健常者と同じ動きをすることができる
・こちらからのハンドサインが見えないので手を握って意思疎通を取る
・深度や潜水時間、残圧なども指や手で伝える
・中性浮力か否かわからないから、手で状況を伝える
・耳は聞こえる場合、水中でも近くで話せば伝わることもある
2日間の講習を受講して思ったのは、目からの情報がいかに多いかと言うこと。そして、手足が動かない場合に、うつ伏せに浮かんでいることすら容易にできないと言うこと。普段、当たり前のように身体を動かしているが、その一つでも動かなくなることでの弊害の大きさにひたすら頭を抱えました。
まともに、エントリー(潜行)させることもできず、水中でタンクやBCDを持って一緒に進むこともやっと。車いすに乗せるのも、車いすからおろすのも、水中へ運ぶのも、すべてが体力と気力との闘いで、本当に難しかったです。
麻痺している方々は、ちょっとした怪我が大事に至ることが多々。介護士の彩夏ちゃん曰く、麻痺している側の腕を知らず知らずに挟んじゃっていた・・・なんてことも起こりうるらしい。本人も痛くないから気が付かない、治癒力も免疫力も落ちている方が多いから、褥瘡(じょくそう)ができてしまう可能性があるのです。
怪我に注意しながら、ダイビング自体の安全管理をしながら、ご本人の気持ちに寄り添いながら、新しいチャレンジの少しだけ手伝いをさせてもらう。そんなダイビングのライセンス講習でした。
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一緒に受けた方が
「これまで奪われることや諦めることばかりだったかもしれない方々に、私たちは新しい何かを与えられるんですね…なんて凄いことなんだろう」と言っていました。
ハンディキャップダイビングを進めているインストラクターのサトシさんも、HSAの皆様も、私と同じライセンス講習を受けた方々も、新しい人生設計の中にダイビングへのチャレンジを入れたハンディキャップダイバーの皆様も、みんなができる範囲で「楽しい」を感じて、最高の笑顔になれるといいなぁと心から思いました。
もしこれから先、自分に何かが起きてハンデを背負ったとしても、ハンディキャップダイビングに関わる人たちの存在が、いつか自分を救ってくれるのではないかな。
日本中のダイバーの皆様。ぜひ、講習を受けることをお勧めします。本当に本当に学びの多い2日間でした。サトシさんはめちゃくちゃ優しく、そして愛のある厳しさでみっちり講習してくれます。
ちなみにIDCとIE試験が、私の中で非常に苦しい時間トップでしたが、優に超えてきました。今回、ダントツに大変で難しく、心からの無力さを味わいました。これができたら、たぶんサポート系は何でもできるのではないでしょうか。
サトシさんは「究極の体験ダイビング」と言っていました。
7月15日(祝月)に、伊東でイベントを行うとのことなのでお手伝いに行きたいと思っています♪
お問い合わせはこちら
Traum Scuba(トラウムスクーバ)
東京都武蔵野市中町3-25-5
0422-39-8757
※お店はNAUIですがHSAは誰でもOK。私もPADIです。